私大医学部(獣医学部)の受験校数について

そろそろ受験校を決める時期になって来ました。

医専では11月は保護者面談を行います。

話す内容は、受験校、ダメだった時に今年で受験を終わらせるのか、もう一年やるのかとシビアな内容になります。前者の場合は、滑り止めを考えなくてはなりません。本来は、ダメだった場合などの士気を下げそうな話題はしたくないのですが、この時期にどうしても話しとかねばなりません。

そして、大切な事、受験スケジュールについて、即ち受験校についても綿密に話さねばなりません。


以下、私大医学部受験の現状を知らない方は驚く話となると思いますが、全てここ4年位の実体験に基づいた話になります。ちなみに獣医学部についても似たような事が言えますので、参考にして下さい。獣医は受験出来る学校数がそもそも少ないので、それまた厳しい話にはなりますが。


今回私がアピールしたいのは私大医学部の受験校数についてです。

結論を言うと、条件付きになりますが受験校は多い方が良くて、昨年いた医専では20校位受けて貰ってました。ただし、2019年はこれまでにない位入試日程が重なっている為例年のように多くは受けられません。また、コンディションを考えると3日に1日位は休みを入れられるとよいかと思います。

条件付きというのは、実力がある人はそんなに受けなくても受かるだろうし、学力が低すぎてもむやみやたらと受けても受からないと言う事です。学力がかけ離れている人は、勉強時間を確保する為に受験校を減らす事も考えられます。今年は後期試験も沢山あるのでそれに焦点を置くのも一つの手です。

受験校を多くした方がよいのは、目安としては河合の模試で偏差値55~65で不安定な人になります。

人によっては10校位でよさそうとか、7校で平気かもという事もあります。

またそれ以上の偏差値の方も、多浪など色んな理由で昨年までは受かりにくく沢山受けなくては駄目なケースがありました。例えば、30歳前後の再受験生2浪目3浪目位ですと、偏差値65~72でも数を打って来るか来ないかという厳しいケースが生じたのです。


面談で最初この話をすると驚く保護者様も多いですが、保護者様の時代の医学部受験よりもはるかに厳しくなっており、例えば東大の他の理系に合格した再受験の生徒さんでも、沢山受けていくつか1次合格は出来ても第一志望には1次試験さえ引っかからない事があったのです。その生徒さんは国立が第一志望で、私大は20校位受けて、1次試験は7校位の合格を出しましたが、2次試験は3校正規、2校は補欠、第1志望の聖マリは1次試験にさえ引っかかりませんでした。

要は、私大医学部は傾向が変わってしまう事も多く過去問対策があてにならない事も多い、また問題傾向が合う合わないもあります。さらに体調、頭の回転のコンディション、不安、緊張、座席(隣の人の貧乏ゆすりが気になった等)色んな要素もあり、4教科がたまたまそろって全て調子良くできたと言う日が来る事が必要なのです。または1教科ダメで他に出来た科目がありカバーなど。

沢山受けていればこれらの確率が上がります。また、受けたごとに出来なかったところを見直せば穴が無くなってくるのです。


私が悔しい(本人はもっと悔しい)思いをしたのは、同じ実力でも7校受けた生徒は全落ちで20校受けた生徒は1校だけ受かったり、1次は3校、2次は全て補欠、そのうち1校が回って来たという状況です。もう少し実力がある生徒でそれ位受けると、1次はもっと通って7校、2次はそのうち2校正規、2校補欠、2校落ちだったりします。

ちなみに、正直なところ、ここで例に上げた何とか私大合格の生徒さんは、大学は選べてないことになります。結果的には、地方(岩手、金沢、福岡、久留米など)が多いですが、それらを全て落ちて帝京、北里、女子医などに合格と言う事もありました。ですので、数を打って当たったという感じになります。

実力があると、その確率が上がるので、数を減らしていけるという構図になります。


慈恵、慶應、順天などの上位校に受かる位の実力の方はこんなに受けなくてもよいかもしれませんが、他は国立狙いという方も注意が必要です。なんせ、国立に比べて試験時間が短いので、慣れなくて国立は合格したけれども、私立は殆ど補欠だったというケースもありました。

ちなみに獣医学部についても、えり好みせず前期も後期も受けてどこかしら受かる人が多いのが現状です。麻布に受かる、日大に受かるかは結果論になる事が多く、ピンポイントで狙って入れる人はなかなかの実力者です。


最後に、「そんなに受けて過去問は全部解くのか」という疑問を持つ方もいるかと思いますが、それは塾にあるの物をコピーして最新の2年分を全部、特に行きたい大学は3年分、4年分解いても良いかもしれませんが、数学の場合は2014年に新課程に切り替わってますのでそんなに古くまで解いても意味がない事があります。傾向が変わっている大学ならそんなにやる必要はないでしょう。むしろ沢山の大学をやる事により、私大医学部全体の傾向がつかめてきて、昨年他で出た問題が今年はこっちで出たなんて事が多いです。

以上、今回は厳しい内容となりましたが、老婆心からとお思い下さい。私も自分の担当の生徒達には必ずする話でありますので。


それではまた。

写真は最近利用した都内会議室と、恒例のスイーツです!


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